呆然とするイワノフとドーソンの目の前に広がる光景、それは今までどんな宇宙飛行士も眼にした事の無い物だった。
ヴォズドゥクの周りに何かがべったりとこびりついていた。
「オ、オイ何だと思う?」
「わからん、だがただごとじゃ無さそうだな。」
「まさかホントにエイリアンだったりしてな。」
「よせよドーソン。そう簡単に地球外生命体になんか出くわすはずが無いだろう。」
しばらくして落ち着きを取り戻した二人はその物体を注意深く観察した。
それはどうやら二種類あるようだった。
一つは黒い油状でヌルヌルしていた。
もう一つは白くて蜂の巣状の構造が見てとれた。
白いのを囲むようにして黒いのがこびりついていた。
「ベンジャミン、見えるか?」
「ああ、よく見える。」
「何だと思う?」
「わからん。どっちにしろ調べてみなきゃならんだろう。一度戻ってきてくれ。」
「了解。」
船内に戻った二人はズヴェズダで待つベンジャミンの下へ急いだ。
「よう、お二人さんお疲れ。」
「ヘイ、ベーン、ありゃ一体なんだ?デブリにも見えないし、かといって隕石や彗星のカケラってわけでも無いだろう。やっぱりあれが不調の原因か?あれ?と言う事は賭けは俺の勝ちだな。」
「まあ、そうまくしたてるなドーソン。落ち着け。」
「これが落ち着いていられるか。あんなの初めて見たぞ。」
「わかった、わかった。まあ俺の話を聞け。」
イワノフは黙って何かを考えている。
「まず、お前らの賭けは不成立だったと言っておこう。」
「ハァ?何でだよ?お前もモニター越しとはいえ見ただろ?ヴォズドゥクの周りにワケのわかんないものが張り付いてたのを!」
「だから話を聞けって。いいか、俺はお前らが船外に居る間、そっちをモニタリングしながら船内システムのエラーが無いかどうかスキャンしてたんだ。するとあの謎の物体の発見に目を奪われて気づくのが遅れたが、あったんだよエラーが。」
「どこにだベンジャミン。」
ようやくイワノフが口を開いた。
「C&Wパネルそのものにさ!全くやってらんねえぜ。」
「なんだそりゃ?アホくせえ~。あ~あせっかく我がU.S.Aの勝利だと思ったのによお。」
「残念だったな。これで少しはロシアを信用する気になったか?」
「それとこれとは話が別だ。アレが一体何なのかもハッキリしてないしな。クソッ、さっさと残りのEVA(船外活動)を片付けようぜ。」
ドーソンは一人でスタスタとエアロックに向かってしまった。
やれやれといった表情でイワノフが後を追う。
「あの物体のサンプル採取も忘れないでくれ。多ければ多いほどいいからな。」
ベンジャミンの声を背に片手を挙げて応えるイワノフ。
そしてさっきから頭に浮かんでくる考えを打ち消すかのように二、三度大きく頭を振る。
「まさか、な。」
(続く)
ヴォズドゥクの周りに何かがべったりとこびりついていた。
「オ、オイ何だと思う?」
「わからん、だがただごとじゃ無さそうだな。」
「まさかホントにエイリアンだったりしてな。」
「よせよドーソン。そう簡単に地球外生命体になんか出くわすはずが無いだろう。」
しばらくして落ち着きを取り戻した二人はその物体を注意深く観察した。
それはどうやら二種類あるようだった。
一つは黒い油状でヌルヌルしていた。
もう一つは白くて蜂の巣状の構造が見てとれた。
白いのを囲むようにして黒いのがこびりついていた。
「ベンジャミン、見えるか?」
「ああ、よく見える。」
「何だと思う?」
「わからん。どっちにしろ調べてみなきゃならんだろう。一度戻ってきてくれ。」
「了解。」
船内に戻った二人はズヴェズダで待つベンジャミンの下へ急いだ。
「よう、お二人さんお疲れ。」
「ヘイ、ベーン、ありゃ一体なんだ?デブリにも見えないし、かといって隕石や彗星のカケラってわけでも無いだろう。やっぱりあれが不調の原因か?あれ?と言う事は賭けは俺の勝ちだな。」
「まあ、そうまくしたてるなドーソン。落ち着け。」
「これが落ち着いていられるか。あんなの初めて見たぞ。」
「わかった、わかった。まあ俺の話を聞け。」
イワノフは黙って何かを考えている。
「まず、お前らの賭けは不成立だったと言っておこう。」
「ハァ?何でだよ?お前もモニター越しとはいえ見ただろ?ヴォズドゥクの周りにワケのわかんないものが張り付いてたのを!」
「だから話を聞けって。いいか、俺はお前らが船外に居る間、そっちをモニタリングしながら船内システムのエラーが無いかどうかスキャンしてたんだ。するとあの謎の物体の発見に目を奪われて気づくのが遅れたが、あったんだよエラーが。」
「どこにだベンジャミン。」
ようやくイワノフが口を開いた。
「C&Wパネルそのものにさ!全くやってらんねえぜ。」
「なんだそりゃ?アホくせえ~。あ~あせっかく我がU.S.Aの勝利だと思ったのによお。」
「残念だったな。これで少しはロシアを信用する気になったか?」
「それとこれとは話が別だ。アレが一体何なのかもハッキリしてないしな。クソッ、さっさと残りのEVA(船外活動)を片付けようぜ。」
ドーソンは一人でスタスタとエアロックに向かってしまった。
やれやれといった表情でイワノフが後を追う。
「あの物体のサンプル採取も忘れないでくれ。多ければ多いほどいいからな。」
ベンジャミンの声を背に片手を挙げて応えるイワノフ。
そしてさっきから頭に浮かんでくる考えを打ち消すかのように二、三度大きく頭を振る。
「まさか、な。」
(続く)
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