続・宇宙の海は俺の海

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第二話「イワノフの独白」

JAN.25,2005
バイコヌール宇宙基地を飛び立ってから何日が過ぎたろうか?
祖国を遠く離れて、上空400km。
外を見れば地球が眼下に浮かんでいる。
この光景を眼にするたびに偉大なる先人ガガーリンの言葉を思い出す。
「地球は青かった。」
そう、この暗黒の宇宙にただ一つサファイアのように青く輝いている。
この光景を見るために、少佐と同じものを見るために宇宙飛行士になったと言っても過言ではない。
私の出身はガガーリン市だ。
以前はグジャツク市という名称だったが彼の偉業を称えて改名された。
そこでは少佐は英雄以外の何者でもなかった。
男の子というものは誰でも一度は宇宙に興味を持つ。
私もそうだった。
世界で最初に宇宙へと挑んだ彼に憧れるのは当然の事だった。
そして憧れはいつしか夢へと変わっていった。
今こうして夢を実現できたことは幸せという他には無い。
地上に残してきた家族にも感謝せねばなるまい。
私の胸にはいつも写真が入っている。
笑って見送ってくれた妻のタチアナ。
君の渡してくれた十字架はいつもつけてるよ。
将来は自分も宇宙飛行士になると言う長男のユーリー。
少佐から名前をもらったんだから大丈夫だ。
毎日お祈りしてくれると言った娘のサーシャ。
お前の花嫁姿を見るまでは死ねるものか。
体は遠い空の上だが心はいつもお前たちと共にあるよ。

さあ、そろそろ任務の時間だ。
ガガーリン少佐に負けないようにはりきるとするか。
私の名はイワノフ。
誇り高きロシア連邦宇宙庁の飛行士だ。

(続く)
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